競技種目(2)

Tree Climbing ツリークライミング

参加資格

・チームの構成は以下の条件を満たすこと。
・メンバーの一人は必ず樹護士アーボリスト資格取得者(もしくは樹護士アーボリスト受験資格保持者でこれから受験する方)
・それ以外のメンバーはATIのベーシックアーボリストトレーニングコースBAT1-BAT2を修了した方

チーム構成

1チーム5名

状況説明

・樹上10~15m付近にクライミングアンカーとして使用するためにスローラインがかかっている。
・樹上5~8m付近にリギングブロックが設置されている。
・樹上4~6m付近にリギングの対象となる枝(約4m約150㎏と想定)の両端にテープ(黄色)が巻かれている。
・地上にはブロック×1、ロワーディングディバイス×2、デットアイスリング×2、ルーピースリング×1、ウーピースリング×1、E2Eプルージック×1、スチールカラビナ×3、10m程度のリギングロープ×1、リギングロープ×1、タグ用ロープ×1が置かれている。状況により数やアイテムは変更する。
・チェーンソーストラップの付いた刃のないチェーンソーが用意されている。
・作業を想定したエリアは選手とジャッジしか入れないように囲われている。
(会場の樹木により高さなどの設定は変更する場合がある。)

競技説明

参加選手が場内に入った時点で時計はスタートする。グランドテクニシャンはプランニングを行い、作業プランを説明する。クライマーは指定されたアンカーでクライミングを行い、枝先に移動してリムトス(5本)、その後ロードとなる枝にリギングロープをセッティングする。クライマーがチェーンソーを使用する模擬を行い、鈴を鳴らす。リギングのセッティングを元のように解除しギヤ類を元通りに戻し、クライミングロープを回収しスローラインへ戻す。全員が場外に出た時点で時計が止まり競技終了とする。制限時間は20分~30分(当日メインジャッジより発表する)

ルール

競技前

・出場チームは全員が揃わなくてはならない。5分以上の遅刻で失格となる。
・出場チームはクライミングの道具(ロープ、フリクションセーバー、サドル、ランヤード、ノコギリ、etc)最大2セット、スローラインセット(スローライン1、スローバック2)を最大3セット場内へ持ち込むことができる。クライミング道具に忘れ物がある場合は取りに行くことはできない。
・出場チームはヘルメット、セーフティグラス等PPEをつけ、必要な持ち込みギヤを手に場内へ入る。
・クライミングギア、リギングギア、チェーンソーなどすべて物の落下は即時停止、失格となる。
・クライマー1名、グランドテクニシャン(グランドワーカーリーダー)1名、グランドワーカー2名、マルチ1名(クライマーもできるが第1クライマーになれない)ジャッジがわかるように腕章をつける。
・グランドテクニシャンは作業プランをメインジャッジに話さなくてはいけない。

競技開始

・チーム全員が整列して誰か一人が線を超え場内に入ったところより時計はスタートする。
・チームの誰もが走ってはいけない。もし走ったとみなされた時ジャッジは笛を吹きチーム全員はタイマージャッジが10秒数えるまで動くことができない。
・クライミングロープで上げることができるのはリギングロープのみとする。スローラインでブロックやチェーンソーなど重いものを上げることはできない。

クライミング

・クライミングヒッチはブレイクス、クローズドヒッチ(ディステル、シュワビッシュ, 4コイル以下は不可)のみ使用を可能とする。
・クライミング前の点検は怠ってはならない。(アンカーチェック、BARKチェック、バウンズチェック)
・クライミングアンカーはスローラインがかかっている状態よりスタートする。
・樹上で必ずタイインしてインスペクションを行う。
・クライマーはいかなる時もオフロープ、アンコントロールスイングはしてはいけない。
・大きなスイングは失格となる。
・クライミングロープにエンドノットがないと減点される。
・クライマーは適切なスピードを保って移動又は下降しなければならない。
・空中でのボディスラスティングは禁止とする。
・マルチが登る場合はあらかじめメインジャッジにプランニングをはなしアンカーの場所など許可を得ること。もし許可なくクライミングを行った場合は失格とする。

リムウォーク・リムトス

・リムウォークはオフロープになってはならない。
・適切なランヤードの位置でタイインしなくてはならない。
・タイインした後コールをしてノコギリを両手で扱い鈴を鳴らさなくてはならない。
・鈴を鳴らしたのちにリムトスをすることができる。
・リムトスの本数は5本、地上のターゲットは3か所あり点数が異なる。
・リムトスが終了した後、枝に過度の負担をかけないように戻らなくてはならない。

チェーンソーの受け渡し

・チェーンソーはクライマーが樹上へ持って行ってもよい。グランドワーカーが技術を駆使して樹上へ届けてもよい。
・チェーンソーは樹上で必ず落ちないように何かの処置がされなくてはならない。
・チェーンソーストラップをチェーンソーから外してはならない。
・クライマーとグランドワーカーは適切なコールをしなくてはならない。
・チェーンソーはクライマーが持って降りてもグランドワーカーが技術を駆使しておろしてもよい。
・チェーンソーはライフサポートギヤを使って吊り下げてはならない。(ロープ・カラビナなど)

移動、リギングロープの設置

・ロードへの結びはリギング用に認められた結びを使用すること。
・グランドワーカーはロワーディングディバイスを設置しなくてはならない。
・必要に応じてタグロープを設置する。
・クライマーとグランドワーカーは連携してリギング作業の模擬をしなくてはいけない。
・クライマーは適切にタイインしてロードのカットの模擬を行う。模擬をしたのちチェーンソーカバーを付け、腰に適切にチェーンソーを付けて両手で鈴を鳴らさなくてはならない。
・グランドワーカーはリギングロープをロワーディングディバイスに適切にまかなければならない。
・クライマーとグランドワーカーは適切なコールをしなくてはならない。
・もし、事故を起こす可能性の模擬の場合、ヘッドジャッジは時間を止めて問題点を指摘する。時間内であれば模擬の内容を変更できる。

クリーンナップ

・ヘッドジャッジがOKの声でリギングギアのクリーンナップを始める。
・クライマーとグランドワーカーは適切なコールをしなくてはいけない。
・クライミングアンカーは競技開始前と同じようにスローラインだけが残った状態にする。
・チェーンソーは元の場所、状態に戻さなくてはいけない。
・一度フィールドの外に出た時点で場内に戻ることはできない。
・全員が場外へ出たところで時計が止まる。

■時間

・何度走ってペナルティーストップとなっても減点の対象とはならない。
・スタートから設定タイムを経過したところで終了。速やかに撤収しなくてはならない。
・同じ点数の場合終了タイムが早い方が上位になる。

ルールブック2022より

競技種目とルール