競技種目(4)

Rescue レスキュー

■ 参加資格

・チームの構成は以下の条件を満たすこと。
・メンバーの一人は必ず樹護士アーボリスト資格取得者(もしくは樹護士アーボリスト受験資格保持者でこれから受験する方)
・それ以外のメンバーはATIのベーシックアーボリストトレーニングコースBAT1-BAT2を修了した方

■ チーム構成

1チーム5名

■ 状況説明                                                                                                                         

・樹上10~15m付近にクライミングアンカーとしての変更するためにアクセスロープがかかっている。
・地上4~6mにクライミングロープにぶら下がり、ランヤードをした状態で要救助者が下がっている。
・要救助者のアンカーと救助者のアンカーは約4m離れている。
・要救助者の状況は大会により変化する。
・大会によりリギングのシステムも樹上に存在する。
・状況により要救助者がチェーンソーを持っていることもある。
・地上には刃のないチェーンソーも置かれている。
・作業を想定した範囲は参加選手とジャッジしか入れないように囲われている。
・会場の樹木により設定の高さや幅は変更する。

■ 競技説明                                                                                                                         

メインジャッジのスタートの合図で時計はスタートする。チーム内の個人の役割はクライマー、指揮者、ビレイヤー、連絡役、マルチスタッフに分かれる。クライマーは要救助者を樹上に登り助ける役、指揮者は全体を見て的確な指示を出す。ビレイヤーは地上でロープをビレイし地上に降りる人を確保する。連絡役は救急車を呼ぶ、AEDを持ってくる、現場と病院や野次馬などのオーディエンスとの連絡役をする。マルチスタッフ1名はクライマー、グランドワーカーなどどのようなサポートもすることができる。チームの準備ができ次第、指定されたアンカーでクライミングを行い、チーム全員で役割を守り、安全かつ迅速に要救助者を地上に降ろす。要救助者のカラビナを外して場外の指定ポイントまで行くと終了となる。役割にはできることできないことがある。制限時間は30分

ルール

■ 競技前

・出場チームは全員が揃わなくてはならない。5分以上の遅刻で失格となる。
・出場チームはクライミングの道具(ロープ、フリクションセーバー、サドル、ランヤード、ノコギリ、etc)最大2セット、スローラインセット(スローライン1、スローバック2)を最大2セット場内へ持ち込むことができる。必要であるならばサドルとエイト環は必要数持ち込むことができる。クライミング道具に忘れ物がある場合は取りに行くことはできない。
・出場チームはヘルメット、セーフティグラス等PPEをつけ、必要な持ち込みギヤを手に場内へ入る。
・クライミングギア、リギングギア、チェーンソーなどすべて物の落下は即時停止、失格となる。
・クライマー、指揮者、ビレイヤー、連絡役、マルチスタッフはジャッジにもわかるように腕章をつける。
・メカニカルギアやSRSは使用出来ない。
・事前のギアインスペクションを通していないものでも開始10分前にギアのインスペクションをマスタージャッジに申告することができる。

■ 競技開始

・チーム全員が整列して誰か一人が線を少しでも超え場内に入ったところより時計はスタートする。
・チームの誰もが走ってはいけない。もし走ったとみなされた時ジャッジは笛を吹きチーム全員はタイマージャッジが10秒数えるまで動くことができない
 クライマー:救急車を呼ぶ、AEDを探す、野次馬の排除、要救助者のビレイ、は出来ない。
 指揮者:救急車を呼ぶ、AEDを探す、野次馬の排除、クライミング、は出来ない。
 ビレイヤー:救急車を呼ぶ、AEDを探す、野次馬の排除、クライミング、は出来ない。
 連絡役:要救助者のビレイ、クライミング、は出来ない。
 マルチスタッフ:どのような役もすることができる。ただし、第1クライマーにはなれない。

■ スタート

・各役割にあった行動をすることができる。
・事前にわかっている内容をプランニングして内容を提出または、時間内にプランニングを行いジャッジ及びチームにプランの説明を行う。
・救急車などの連絡はセーフティーゾーンに置いてある携帯電話で行う。救急車の到着時間はメインジャッジが決め競技者は勝手に決めることができない。
・AEDは会場の何処かにある。(事前にどこにあるかはメインジャッジが話す。)
・野次馬役は主催者側スタッフが務める。

■ クライミング

・クライミングロープは必ずフリクションセーバーが必要。
・クライミングヒッチはブレイクス、クローズドヒッチ(ディステル、シュワビッシュ, 4コイル以下は不可)のみ使用を可能とする。
・クライミング前の点検はおこたってはならない。(プルチェック、BARKチェック、バウンズチェック)
・樹上で必ずタイインしてインスペクションを行う。
・クライマーはいかなる時もオフロープ、アンコントロールスイングはしてはいけない。大きなスイングは失格になる。
・クライミングロープにエンドノットがないと減点される。
・クライマーは適切なスピードを保って移動又は下降しなければならない。
・空中でのボディスラスティングは禁止とする。
・グランドワーカーは要救助者への声をかけ続ける。
・2人目のクライマーが登る場合はアンカーの場所などメインジャッジに許可を得なくてならない。
・2人目のクライミング前の点検を怠ってはならない。
・第1クライマーは事前にセッティングされているアクセス用ロープのみ登ることができる。

■ 要救助者へのアクセス

・リムウォークはオフロープになってはならない。
・適切なランヤードの位置でタイインしなくてはならない。
・グランドワーカーはクライマーを地上から補佐することができる。
・要救助者のもとへたどり着いたら意識、呼吸、脈拍、の確認をおこない地上へ伝える。
・ロープの状況、リギングがあればリギングの状況を確認し地上に伝える。
・リギング道具で人を吊ることを禁止とする。
・止血や保定など適切な処置をしなくてはいけない。
・プランの変更点があればチーム全体で共有し、ジャッジにも伝える。
・クライマーはクライミングアンカーの架け替えはできない。

■ クライミングダウン

・TARSでならった基本的な降ろし方でバックアップを確実に取り確実に要救助者を救助する。
・グランドワーカーと連携して救助する。
・クライマーが降りるときはコールを必ずおこなうこと。
・グランドワーカーはクライマーが地上に足が着くまでに地上で要救助者の受け入れ態勢を整えておく。
・グランドワーカーは常に要救助者に対して声をかけ続けなくてはならない。
・一度フィールドの外に出た時点で場内に戻ることはできない。

■ 時間

・何度走ってペナルティーストップとなっても減点の対象とはならない。
・スタートから30分を経過したところで終了。速やかに撤収しなくてはならない。
・同じ点数の場合終了タイムが早い方が上位になる。
・メインジャッジのスタートの合図より始まり、時計が止まるのは設定により変化がある。

ルールブック2022より

競技種目とルール